為替操作国認定されるとどうなる?分かりやすく解説

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アメリカが中国を為替操作国に認定したとの報道があり、中国との貿易が悪化する懸念が指摘されています!

アメリカと中国との貿易対立は、日本円が円高しているなど、日本経済にとっても深刻な問題。

そして、「為替操作国」に認定されるとどうなるのか、ピンとこない人も多いハズ。

そこで、この記事では課させ操作国に認定されるとどうなるのかを分かりやすく解説、そしてアメリカが考えるさらなる次の一手について解説したいと思います。



そもそも為替は操作できるのか?

結論から言えば為替は操作できます。

例えば、日本を事例にあげましょう。

日本も円が極端に円高に進行していくと、輸出関連企業の業績が悪化しかねません。

だって1ドル100円だったものが1ドル80円になれば、売上が20円分も下がることになるますからね~。

20円価値が下がった商品が100万個輸出して獲得した収入は1億から8000万になり2000万も売上が減ることになります。

そうなると輸出企業が多い日本にとっては大ダメージ。

そこで、日本では為替介入を政府が行える権限があります。

為替介入を行うのは財務省。財務省は定期的に日本銀行から為替市場のレポートを毎日提出しています。

そこで、円高進行がまずいなと財務大臣が判断すれば為替介入が行われます。

どうやって介入して為替操作を行うのかというと、

・円高の場合

円高に対しての介入の場合、短期の日本国債を発行して銀行に買い取ってもらい、円を調達します。

そしてその円を使ってドルを売りまくるのです。

・円安の場合

あまりないですが、急激な円安の場合には、特別会計にあるお金「外国為替資金特別会計(外為特会)と呼ばれる」のうち、ドル保有のものを売って円を買います。

為替相場はぶっちゃけていえばパワーゲーム。

お金を持っている政府やファンドなどが、どうとでも安くも高くもできるのです。

中国の場合は日本よりも多額のお金を有していそうなので、為替介入も容易にできるのではないかと思われます。



アメリカの為替操作国認定の方法と対策

アメリカはどうやって為替操作国の認定を行っているのでしょうか。

アメリカの財務省は毎年2回、米国議会に対して為替政策報告書を提出しており、為替が不当に操作されている疑いがあれば、議会が為替操作認定国に指定します。

為替操作認定国に指定されると、次のような対策が講じられます。

 

・通貨の切り上げ要求

ドル安にするために、為替操作国に対して、価値を上げろと言ってきます。

中国に対してなら人民元を切上げて、ドル安人民元高にしろと言うことです。

・関税の制裁

関税は、輸出品がアメリカに入る際にかかる税金を高くすることです。

関税が高いと、アメリカの消費者に対して値上げしないといけないため、アメリカは輸入をしぶりますし、輸出する中国も税負担が高くなるので、売上に影響が出ます。



今後の貿易対立はどうなる?

中国は人民元を最低水準にすることを容認したことで、今回は急遽為替操作国認定になりました。

関税の制裁は中国の輸出品にとって大ダメージ。

中国製品が人口の多いアメリカに輸出されないとなると、中国も対策を変えざるを終えないかもしれません。

逆に、アメリカの安い中国製品が買えなくなることを残念がる国民も多いハズ。

この関税による制裁が長引けば、トランプ大統領の支持率は下がるのかもしれません。



アメリカ次の一手は、中国の持つ米国債の無効化か?

為替操作国となった中国が農産物の輸入停止を辞めなかったり、人民元を切り上げない限り、次の一手をトランプ大統領は目論んでいる。
それは、アメリカの恐ろしい法律「国際緊急経済権限法」の発動だ。

これは中国が持つ米国債を単なる紙くずにする効果がある恐ろしいもの。

この「国債緊急経済権限法」とは一見難しそうな言葉だが、どういう法律なんだろうか?

 

国際緊急経済権限法とは?

国際緊急経済権限法とはアメリカの法律で、安全保障・外交政策・経済に対する異例かつ重大な脅威に対して、非常事態宣言後に金融制裁を行えるもの。

国際緊急経済権限法で行われる措置は、外国人資産の没収、為替取引の禁止などである。

現在これが適用されている国は、以下の通り。

・イラン(1979年~、イランアメリカ大使館人質事件とその後の支援行為により)
・シリア(2004年~、テロリズムの支援の為、またその後の人権侵害の為)
・ベラルーシ(2006年~、民主主義的な制度弱体化の為)
・北朝鮮(2008年~、兵器利用可能な核分裂性物質の拡散の危険性の為)
・ジンバブエ(2003年~、民主主義制度を損なった為)
・ロシア(2016年~、ウクライナ クリミア地域へのロシア軍の派遣による等)

イランや北朝鮮などは最近でもニュースに上がっており、現在も適用されている。

また、日本でも暴力団関係者に対して適用されるなど、国に限らない。



追い詰められた中国はどうするのか?

中国は1兆円も米国債を保有しており、米国債保有ランキングでは日本についで2位の位置にいる。

もしこれが紙くずとなれば日本の国家予算並のお金がなくなるのに等しい。

アメリカの農産物停止で食べ物の供給が一気に減り、さらには関税もかけられ、輸出業にも影響が出て追い詰められ中国。

もし、国際緊急経済権限法の適用国になれば、中国経済は深刻なダメージを受けること間違いない。

逆に言えば、その前に米国債の大量売却があるかもしれない。

いずれにしてもアメリカと中国の次の一手に注目が集まりそうだ。

今後、ギリギリのところで貿易対立が融和すると見られているので、どっちが折れるのか注目してみていきたいですね。

 

為替操作国認定により株価はどうなる?

また、NYダウ平均は8月5日に700ドルも下落し、日経平均株価も8月6日の前場で300円も続落しています。

もしこのまま円高、貿易対立による投資家不安が強まれば、日経平均は2万円を割りかねません。

ただでさえ消費税増税による消費懸念、目玉作の決済アプリも7ペイによる信用不安から普及は進まないようになるのではと言われている中のこの事態。

日本経済はさらなる悪化懸念が予想されます。

 

以上、為替操作国に指定されるとどうなるのか、またアメリカの次の一手の予想について解説しました。

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